リスペリドン

おととい、布団の中で一生懸命、いいことばかり思い出してた。そしたら、案外楽になったんだ。とりあえずやってみようという気持ちはだいじ。

しかしその眠りは午前2時、突然の大きな笑い声と、ベッドをばんばんと叩く音によってさえぎられるのであった。



私は障害がある人が泊りにくる施設でバイトをしている。5年目になる。その日は自閉症の方と一緒だった。会話は、なりたたない。服を水浸しにしたり、他の利用者さんに味噌汁などをぶっかけたり、あの手この手でこちらを困らせてくるので全く油断ができない。「濡らしません!」「はい」「約束です!」「はい」と指切りをしてすぐ、行ったトイレで靴下を流そうとし、無理とわかると座りこんでわざと失禁する。とても頭が回るひと。


夜、私が横になるはずだったベッドを占領されて、仕方なくすぐそばの床に布団をしいた。眠ったかなあと思った矢先の笑い声だった。不穏時のための頓服を飲んでもらって、1時間ちょっとで落ちついた。「ぎゅ!」と、手を握るように求めてくる同い年のその女の子は、眠るまで私の手を離さない。その手は、とってもあったかい。

2連泊終えて、ただいま帰宅。いい天気だー。今日こそ片づけるぞ。



なかのすずこ