無題


ベランダの曲は基本的に難産です。
 
だいたい僕がひとり深夜に、うめき声をあげながら、変な体勢でつくってます。

曲作り(特に詞)において僕は自分のなかにけっこう制限を設けているんですが、最近それを取っ払ってみようとしています。

いままで僕自身、歌詞として行間のせまい言い回しが好きじゃなくて(単に書くのが苦手というのもある)、自分の曲もなるべく間口を広くして皆様方の解釈が入る余地をつくろうと努めたりしてました。
例えば、ベランダの「最後のうた」を聴いて死にたい気持ちになるっていうならそれでいいし(でもしなないでね)、むしろ生きたくなるならそれも正解、という話です。

でもここ半年くらい、意識的にやり方を変えていて、もっと自由でええやんという気持ちで最初につくったのが「早い話」だったかな。
いかんせんアウトプットの方法を変えたところで僕は僕なので、ベランダっぽい曲にはなるんだ、ということに気づいた。性根が凡人のそれだから、どこまでいってもサイケとかクレイジーとかには縁がないんです。


去る1月15日に、やっと、アルバムを出せました。ベランダを始めてからずっと一緒にやってきたこの曲達を、たくさんのひとに届けられることがうれしくて、誇らしくて仕方ないです。

結局、僕は一生ポップソングとラブソングを作り続けるんだと思う。
時間はかかるけど、変な体勢でうめき声をあげるあの儀式をキッチリ済まして、うたをつくるよ。


みんなに聴かせたいうたがいっぱいあるんだー。

待っててね、待ってるから。


颯心